ソーシャルシリアスゲーム: 2rot13

Social Serious Game: 2rot13 この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには関係ありません。

エーテルの価値

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川久保大道が開発した、エーテルの価値を真に知る存在は、おそらく僕だけだ。人間を「公開されているエーテル」に人間を接続すると、通信に莫大なノイズが乗る。これを、有意な情報と分離するために、インストール・校正を行い、何らかの目的に使用できるようにするわけだけれど、これは、単にシグナルとノイズなのではなく、人間の意識上の通信と、ニューロンによる通信と、ノイズに分離されるべきものだ。これは、データ量が「公開されているエーテル」とは比較にならないほど大きい「『ラボ』のエーテル」ではより顕著になる。

ニューロンが、エーテルの存在を知って、「いっちょこれを使ってやるか」と思ったのか、もともと神経にはそういった電気信号が流れていたのか、あるいはたまたまそういう機能が備わった個体があり、エーテルを介して、あるいは既存の情報伝達システムによって同期したのかはわからない。なんの通信をしているのかも、僕にはわからない。僕には、ニューロンが何を考えているかわからない。プロトコルも、データ形式もわからない。しかし、何かの意味のある通信をしていて、それが意識上のものではない、ということだけはわかった。

そんなの分析できるんじゃないか、と思うかもしれない。だから、その難度を表現するけれども、だいたい、犬と会話することの2888倍以上は難しい、といった程度だと思う。エーテルという帯域の固定された電子情報を経由し、一時的に世界の電力の数パーセントを使用して解析してやっと、何らかの意味のある通信をしているということを分析できた。もしエーテルがなければ、音響、光学、匂い、動作、電波、あるいはその他のなにかの、全ての組み合わせを分析しなければいけないわけだから、この成果に対するエーテルの貢献は十分に理解してもらえると思う。

川久保大道のチームの10人のプログラマーの生産性が高いのは、インターフェースの問題ではない。エーテルに接続することで、ニューロンが通信を行い、情報伝達を行っている。それは、ほんの少しなんだけれど、そのほんの少しの通信の影響は、その10人のプログラマーの価値を、それ以外の民間企業の全てのプログラマの合計よりも高くする。とはいえ、その程度では、僕の足元にも及ばない。

この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには関係ありません。