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ソーシャルシリアスゲーム: 2rot13

Social Serious Game: 2rot13 この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには関係ありません。

感覚脳関門をハックしてもたらされる変化 1

「我々のラボで、感覚脳関門をハックしもたらされる変化は、二つある」

「一つ目は、エーテルに接続した際に、ハック済みの人間は一つの群知能として振舞うようになる」

そのエーテルは、

「うん」

そのエーテルは、公開されているエーテルですか、公開されていないエーテルですか。

エーテルは、大別すると、情報交換のネットワークの部分と、ネットワークに接続するための仕組みで構成される。もちろん細かく分ければもっと沢山のレイヤーで構成されているけれども、ここでは二つにだけ分けよう」

「公開されているエーテルで使用される、ネットワークに接続するための仕組みの部分は、フィードバックグローブだったり、ヘッドマウントディスプレイだったり、そういった装置と、それを各個人にフィットさせるための装置だ。我々の、公開されていないエーテルで使用する仕組みの部分は、手首を切断して神経に接続する装置と、それを各個人にフィットさせるための装置だ。これはいいよね」

いいです。

「情報交換のネットワークの部分は、もちろん流れる情報量は圧倒的に違うけれども、公開されているエーテルと公開されていないエーテルで、プロトコルに違いはない。だから、どちらも接続することはできる。新しいPCも古いPCも、同じイーサネットに接続することができるように」

「もちろん、閉鎖網も構築できる。エーテルには、インターネットのように広範に使用されているネットワークもあれば、個別のネットワークもある。これは全く、秘密ではなくて、公開されている仕様だ。そうでなければ、ロボットや建設機器や軍事用装備のインターフェースとして使用することはできないからね。だから、ネットワークの部分は、分けて考える必要がない。違いは、ネットワークではなく、接続する仕組みの部分だ」

じゃあ、民生品と、手首を切断する装置の二つという理解でいいですね。

「そうだね。それで行こう」

「ハック済みの人間をエーテルに『手首を切断する装置』で接続すると、そのエーテルに『手首を切断する装置』で接続したハック済みの全ての人間は、一つの知能となる。前に説明したように、ニューロンは一つ一つが個別の生物であって、1人の人間は単に群知能だ。だから、壁を取り去ってしまえば、それを集合することももちろん可能なんだろうね」

意識は? 人格は?

「さあ。外部からは観測できないからね。というより、真に人間を拡張するというのは、外部からそういうことを考察する余地がないくらいに、ものすごい変化なんだよ。計算量で言えば、犬と人間より大きな違いがある。人間が話すのに人間を含めると分かりにくいから、カビと犬くらいの違いと表現しよう。人間と、『人間数人を素材とする知能』との違いは、カビと犬くらいの違いだ。ただし、」

ただし

「『犬』は固定されていて、『犬』の首輪にセットされたキルスイッチは『カビ』が持っている」

この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには関係ありません。