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ソーシャルシリアスゲーム: 2rot13

Social Serious Game: 2rot13 この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには関係ありません。

ソーシャルシリアスゲーム

私の父親は大学で冒険部に所属していた。父親の時代にも既に人類未踏の地なんてほとんどなかったから、そういう意味での本当の冒険なんて地球上にはもう残っていなかった。その結果、挑戦というのは自分の体力だったり、或いはものすごく恵まれている人は、何らかの記録だったりしたんだけれど、それにしたって、結局、スポンサーを付けられるかどうかの問題だ。アイドルと変わらない。先端の冒険というのは、スポーツとしてのある程度の体力をつけて、スポンサーをつけて、何か目立つことをするという、なんだかよくわからないものになってしまった。本当になんでもありのゲームで、ある場所にあらゆる手段を用いてなんとか到達するといった冒険というのは、失われてしまった。

本当の意味での冒険となると多分宇宙なんだろうけれど、それは靴とザックでできることではない。戦争が刀と槍で行われていた時代ではなくなったように、冒険も個人でどうにかなる問題ではなくなってしまった。

そう考えると、私がこれからやろうとしていることは、本当になんでもありのゲームだ。私はあらゆる手段を用いて彼女にもう一度到達する。その為には、お金や社会的な力が必要で、その為には能力が必要だ。妥協はしない。無駄なこともしない。私はベストを尽くす。全力を尽くすとなると、世界はクリアになる。弱者に配慮しましょうとか、多様性を重視しましょうとか、私は余計なことをするつもりはない。車椅子の人とエベレストに登るつもりはない。今となっては時々人が死ぬただの観光地となってしまったけれど、私が登ろうとしているのはそうではない時代のエベレストだ。人類で誰も到達したことがなくて、何があるか分からない。最年少でとか、国内初とか、女性初とか、そういうエクスキューズの必要ない、まっさらなエベレストだ。私はそれを、どんなことをしてでも手に入れる。凄く明確で、社会性が必要で、真剣で、困難なゲームだ。

言葉にするならそれは、ソーシャルシリアスゲーム

この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには関係ありません。