読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ソーシャルシリアスゲーム:東京、ロンドン、ハノイ、台北、パリ、ニューヨーク 2rot13

Social Serious Game: Tokyo, London, Hanoi, Taipei, Paris, New York 2rot13 この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには関係ありません。

ビット□インのクラッキングが完了し、アメリカ合衆国に納品が完了したことをお知らせします

ビット□インはエーテルのように世界を埋めることを目指して作られました。世界中のどの機関からも独立し、人々の各自のリソースによって支えられ、完全に自由な通貨を理想としました。そして、その目的は失敗に終わりました。投機的な電子マネーとしては残るかもしれませんが、そこに独立性はありません。


通貨発行権がどれだけ重要かについては、ここで改めて触れるまではないでしょう。外交手段としての戦争が国際社会から非難を浴びるようになった現在、経済の重要性は増す一方です。通貨発行権なしに国家の独立性を守る方法は、どこの国にもありません。何のメリットもないのに他国の借金を背負う国がないからです。


ビット□インのクラッキングは原理的にクラックできないと考えている方は多いですが、原理的にクラックできることは仕様に明記されています。

ビット□インのシステムをクラックするためには、既存の総計算能力を上回る計算能力が必要というのはご存知ですね。それだけのマシンを準備するのは大変ですね。お金も時間もかかります。
だからビット□インのシステムは安全です、ということになっていますが、考えてみてください。本当に、お金がかかりますか?


ビット□インの骨格として、マイニングマシン提供のインセンティブがあります。マイニングをしてくれれば、ビット□インをあげますよという仕組みですね。つまり、マイニングマシンの初期費用、維持費用を、提供を期待されるビット□インが上回っていることが、システム成立に必要な条件です。
クラッキングのためのマシンは、クラッキングにしか使えないわけではありません。それはまさにマイニングマシンなんです。皮肉なことですが、ビット□インのインセンティブが成立しているということは、クラッキングのために準備している途中で初期費用、維持費用を上回るビット□インが入手できることになります。1万ドル投資すれば、1万ドル分以上のリターンが発生します。そうでなければ誰も参加しませんよね。


ビット□インを法律で規制することは可能です。実際のところ、合衆国でも日本でも、法律の解釈で違法とすることは十分可能です。管理下に置くことが前提ですが、これを黙認しておくことには、二つのメリットがあります。

一つは、共産圏の海外送金です。一度ビット□インを経由することで、共産圏の国民が海外に送金することが可能になります。自国で違法とされても、合衆国で合法である以上、その通貨の有効性は担保されます。

もう一つは、他の電子通貨の抑制です。ビット□インが一強であれば、他の電子通貨に投資するメリットがなくなります。介入が可能である以上、ビット□インを唯一の通貨とする方が、管理は容易になります。

我々は比較的早い段階からビット□インのマイニングに戦略的に参加してきました。ビット□インの取得が目的ではなく、ビット□インを一強の電子通貨とした上で、そのシステムを合衆国に売却することが目的です。我々には暗号の専門家とハードウェアの専門家がおり、最適化されたマシンを安価に製造しています。2009年からずっとです。民間で、GPUを重要視した専用機が使われるずっと前からです。ハードは適時、10万ドル単位のオーダーで投入しています。適切に分散して配置され、ユーザーからその存在を察知することはできません。完璧です。

これまでにマイニングが完了したビット□インだけで、これまでのコストはまかなえており、このまま維持するだけで我々には利益が出ます。したがって、それなりの額で販売しました。とはいえ、軍事費から考えたら誤差のような額ですが。参考までに、ミサイルや戦闘機は一台およそ3,000万ドル、B-2は20億ドルです。その上、このシステムはビット□インを生産します。ビット□インは、どの機関でも必要としています。たとえば麻薬捜査なんかでは必須ですね。しかし、公的機関がビット□インを買いあさるわけにはいきません。ですから、政府内で取引が行われて有効に活用されるということになります。


これは、芸術的なハッキングでも高度なコンピューターエンジニアリングでもありません。淡々と行われたプロジェクトマネジメントです。単なる投資とその回収です。画期的な新しい兵器でもありません。我々にはそんなものに触れる権限はないんですから。

この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには関係ありません。