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ソーシャルシリアスゲーム: 2rot13

Social Serious Game: 2rot13 この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには関係ありません。

私は失明が確定した17歳の女の子を、電話越しの会話2時間で自殺未遂に追いこむ自信がある

私は目が見えない。

私には夫はいない。同棲もしていない。恋人もいない。いたこともない。
私は若くて、それなりに美しく、それなりに知能が高く、人生の全てを絵を描くことに捧げてきて、ある日失明した。

控えめにいって、失明は、人生の終わりだ。
例えば、私は失明が確定した17歳の女の子を、電話越しの会話2時間で自殺未遂に追いこむ自信がある。
自殺未遂。そう。目が見えないと、自殺することすら簡単には出来ない。
一人でいると思って手首にかみそりをあてても、その横には、息を殺した誰かが立っているかもしれない。こんな滑稽な見世物はない。

小説の世界に映像はないけれど、それは創造物のインターフェースの問題であって、読者の問題だ。物語の中には世界が広がっている。
そこに映像がなくても、登場人物が全員盲目という訳ではない。

私の世界は全くの暗闇だ。死ぬまで。分かる?

「我々が求めているのは一枚の絵なのです。」
と、その男は言った。

私の世界は暗闇で満ちている。
目の前に何もないのではなく、暗闇で満ちている。

この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには関係ありません。