ソーシャルシリアスゲーム: 2rot13

Social Serious Game: 2rot13 この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには関係ありません。

彼女の美しさはその脂肪にあるのだが、彼女はそれを理解していない

少し太った、美しい女性がジョギングをしている。
きっとダイエットの為だろう。彼女の美しさはその脂肪にあるのだが、彼女はそれを理解していない。

私は公園の中にいる。小さな山の上。地面には一面に芝が生えている。眼下に池があって、手前には低い柵がある。私はこれが、夢だとわかっている。数メートル下の池に飛び降りても夢だから平気だろうと思うけれどやらない。
山の上にも、池の周りにも、まばらに人がいる。頭の中で大声を出すと、それまで会話していたひとびとが会話できなくなり、迷惑そうにこっちを見る。声を出すのをやめると、一瞬早送りでキュルキュル言ったあとに、何事もなかったかのように話しはじめる。それで、これが夢だと確信する。多分、しゃべれなかった分の遅れを、早送りで取り戻しているんだろう。

山を降りていると、顔に変なメイクをした人が立っている。その人物は言う。

<私が管理者だ>

チリチリチリチリという音がする。私は布団の中にいることに気づく。何かと思うと、母親が、掛ふとんのカバーのファスナーを開けている。あわてて上半身を起こす。

<何やってんの?>

母親は無表情で立っている。夢遊病のようだな、と思う。ふと気づくと、横に夫が寝ている。私は、夫と二人暮らしで、母と同居してはいない。気づくと母はいない。夢と現実がオーバーラップしたのだ、と思う。頭の中で、母が夢枕に立ったよとつぶやいてみるが、思い出してみるとその姿は母ではなく全く別の人だった。一人で可笑しくなる。

そのまま布団の中にいると、話し声が聞こえる。お客さんが来ているのかなと思う。早朝だから、自分の部屋か夫の部屋で対応しているんだろうか。起きて階段の上を見ると、どうもテレビの音のようだ。階段の上に人影がある。夫だ。ダッフルコートをきて、カバンを持っている。

<何やってるの?>

<何でごみの中に住んでいるの?>

自分の部屋を見ると、洗濯物が天井まで積まれていて、入れない。持ってきて積んだらしい。奥でテレビが鳴っている。

<何やってるのよ>

<マックブックがこわれた
外で歩きながら液晶に保護シート張っちゃダメだよね>

<絶対ゴミが入るからだめだよ>

夢遊病のようだと思う。

そこで本当に目が覚める。

目が覚めると、世界は暗闇だ。

私は目が見えない。

この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには関係ありません。